誠信クラブ
行政視察

2007.11.01




岩手県滝沢村
「行政経営品質活動について」



岩手県滝沢村

 岩手県滝沢村は、盛岡市の北西部に位置し、盛岡市中心市街地から約8kmの距離にある。
 稲、野菜、酪農等を主体とした都市近郊農業地帯で、昭和57年には豊かな村づくり全国表彰天皇杯 (姥屋敷地区)を受賞し、平成元年4月1日に村制 100周年を迎えた。
 平成10年度には「情報化の推進」で自治大臣表彰を 受け地方分権への対応も評価されている。
 また岩手県立大学が開学したことにより、 盛岡広域圏における研究学園地域としての機能も強化されている。
 平成18年度には「2006年度日本経営品質賞地方自治体部門」を受賞した。
 人口は約53,000人、面積は約182.32ku。


滝沢村役場

日本一人口の多い村

日本一人口の多い村

 滝沢村は、平成11年11月に日本一人口の多い村になった。
 そして平成12年2月には住民基本台帳人口で50,000人を達成し、全国初の自治体におけるISO14001.9001を同時に認証取得した。。
 滝沢村が誕生した明治22年4月の人口は、3,714人であり、その後、昭和32年8月に人口10,000人を達成した。
 昭和48年頃から人口が増加し、昭和53年5月に20,000人、昭和59年4月に30,000人、平成4年10月には40,000人を達成した。
 滝沢村は、村誕生から110年で「村」としての人口で日本一、111年で50,000人を達成した。
 

 滝沢村の行政経営理念

経営理念
「幸せ地域社会」の実現を目指す。
 私たちは、地球的視野から地域を見つめ、顧客一人ひとりが求める「幸せ地域社会」の実現をめざし、
人々と協働して地域価値の創造に挑戦します

経営の姿勢
確たる経営志心を持って「地域価値」創造に取り組む。
1.聴く心を持つ人間
 接する全ての人々の声に耳を傾け、心で聴くことにより新たな発見と反省を促し、相手の心を理解して行動を起こせる人間形成を目指す。

2.学ぶ姿勢を持つ職員
 社会の変化や日々の業務への対応などに常に学ぶ姿勢を持ちよりよいサービスの追求の為に邁進する。

3.変革へ勇気を持つ組織
 時代や住民のニーズに対応した最も有効なサービスを成果志向の基に追求するため、一人ひとりが絶えず生き活きと挑戦し、総体として勇気を持って変革する組織を目指す。

4.人々と共に誇れる気持ちを持つ経営体
 未来への愛をもって、社会的責任を果たし、信頼と協働による新たなコミュニティー経営を実践し、人々が誇りをもてる経営体を目指す。

職場の在り方
 人々に学び、一人ひとりが「輝き」を持ち、創造する職場を目指す。
1.相互のふれあいと対話の場
 コミュニケーションと自由闊達な対話を大切にし、相互理解と信頼を培う明るい職場づくりを目指す。

2.学ぶ心を大切にする学習の場
 お互いに学ぶ心を大切にし、現場と地域の人々に学び、そして、専門性と地球的視野を持ち、広く人々から学ぶことにより進化する職場を目指す。

3.創造性あふれる場
 知の共有を図りながら職員一人ひとりが持てる能力を充分に発揮し、一人ひとりが「輝き」を持ち、やりがいと自己実現が可能な創造性あふれる職場を目指す。

4.継続的改善に挑戦する場
 時代と地域が求める価値を創造するために、常に人々と協働しながら、継続的な改善に挑戦していく職場を目指す。

行動指針
−日本一顧客に近い行政活動ーの挑戦−
「私たちは、か・わ・り・ま・す」

 私たち一人ひとりは、常に社会的環境の変革に俊敏に対応し、「幸せ地域社会」をめざし、「かわります」をキーワードとして自ら変革と向上に努めます。

「か」改革します・・・
 私たちは、いつも向上心を持ち、創造的挑戦をし続けます。

「わ」 分かり易く伝えます・・・
 私たちは、率先して人々に情報を発信します。

「り」 理解し合います・・・
 私たちは、人々との対話を大切にします。

「ま」 真心で接します・・・
 私たちは、誠意を持って人々に接します。

「す」 すばやく行動します・・・
 私たちは、的確に判断し、迅速に行動します。


滝沢村議会・委員会室


滝沢村議長から御挨拶


滝沢総合公園・入口


滝沢総合公園


滝沢村の住宅地

2006年度・日本経営品質賞
地方自治体部門受賞

大きな仕組みの変革

1.情報公開制度
2.組織のフラット化
3.ISO14004、9001認定取得
4.経営品質向上プログラムによるアセスメント
5.行政経営理念の制定
6.管理職投票制度
・・・  年功序列をやめて、リーダー像を職員自身が考える。
 人気投票になるとか、部下へのご機嫌とりになるとか、人事権の放棄という批判もあったが、結果として相応しい人が選ばれ、選ばれた課長のやる気と責任、選んだ職員の責任が増した。


日常の小さな仕組みの変革

1.一職場一改善運動
・・・道路課・「金がないなら知恵を出せ」・・・地域の生活道路を地域住民で整備
・・・下水道課・「村発注下水道請負業者による安全協議会の設置」
・・・会計課・「伝票に煩わせないような会計事務を目指して」
東部・北部出張所・「お客様への対応態度の向上を目指して」
基幹型在宅介護支援センター・「住民の声を施策や事業に生かすしくみづくり」
営業課・「検診誤り撲滅運動」
2.朝礼
3.部長ミーティング
・・・毎朝、8時過ぎから開催する。9名の全部長級で構成し、ミーティング内容は必要に応じ各部の現場へ情報提供を行う。


柳村・元村長の功績

 柳村・元村長は、東京で民間企業に勤務した後に滝沢村に帰り社会党の党籍で村議会議員を3期務められ、2回目の挑戦で村長になられた。
 そして村長を3期務められて、平成2006年11月に勇退され、2007年4月の岩手県知事選挙に出馬して落選、現在は全国で講演をされているという。
 
 今回の視察において、柳村・元村長の「行政は経営である。」という考え方により、徹底的な改革を推進していると感じた。
 トップの強いリーダーシップが滝沢村をこのように変えたという事実には驚くばかりである。
 民間の感覚で取り組めば、行政もここまで変革するという素晴らしい実例だと思う。
 「やればできる」というこの事実を笠岡でも活かさなければならない。

 現在の柳村典秀村長ともお話したが、「住民との対話」を大切にして、日本一の村として頑張りたいと言われていた。
 
 最後に角掛議長をはじめ議会事務局の心温まる対応に心から感謝申し上げたい。