<平成13年6月定例会・一般質問>
(2番目)
平成13年6月14日(木) 10:50〜11:55 質問
環境行政について
質問と答弁の要旨(市議会便りの原稿)
環境行政について
議員 平成14年4月から、ごみ収集袋を指定袋にするが、市民の充分な理解が得られるような取り組みをどのように考えているのか。
市民環境部長 7月から分別収集の回数を増やす。「分別収集の正しい出し方」の看板・各家庭へのパンフレットを作成する。
議員 住民票の無い方、事務所・店舗等の事業所に対しての指定ごみ袋の啓発活動をどのような考えているのか。
市民環境部長 8月から市内全域での説明会を実施する。笠岡まちづくり出前講座等で積極的な啓発を行う。一般家庭から排出される家庭系一般廃棄物に対しては定められた数の無料のごみ袋を支給するが、住民票の無い方や、店舗・事務所等事業所には配布しない。小さな事業所・店舗からのごみも事業系ごみでありゴミステーションには排出できない。許可業者に依頼するか、自ら里庄の焼却場へ搬入するかになる。
議員 町内会等に違反ごみ等清掃用ごみ袋として、可燃ごみ・不燃ごみ兼用の45Lを年間100枚無料配布するというが、100枚以上は有料になるのか。
市民環境部長 1ステーシュンにおいて100枚だが、100枚以上についても無料を考えている。
議員 市民にあらゆる手段でごみ減量化の情報を提供しなくてはならないのにインターネットが接続できる環境が整っていないし、環境課独自のホームページもない。また業務量が増えている環境課の電話は話中が多い。外線を増設できないか。
市民環境部長 ごみ問題の取り組みについてのホームページを今後開設したい。
企画総務部長 早急にインターネットが接続できる環境にしたい。
質問の「全文」と答弁の要旨
6月は、環境月間である。
今一度、循環型社会を考え直さなくてはならないはずである。
この循環型社会の見本は、意外なところにあった。それは、日本の江戸時代である。 19世紀の始め、パリの人口が約60万人。ロンドンの人口が約90万人という時代に、日本の江戸は120万人という巨大都市だった。それも見事な循環型社会を構築していたのだ。
江戸時代は、太陽の恵みによる植物から作られた綿で着物を作り、菜種油で行灯を燈した。
また米の副産物のワラで、ムシロやワラジなど日用品を作った。そして残ったものは肥料にしたのである。
人間の排泄物は、有機肥料として重宝され、農家がお金を支払って回収し、下肥問屋や専門の商社、小売店まであったという。
西洋では、排泄物を川などに流していたため、臭気に悩まされ不衛生で伝染病の原因にもなった。
一方、江戸時代には生産量以上の需要があるため、川に流すなど、もっての他だった。
また、物を燃やした後に出る灰も、肥料や、酒造りや和紙の製造、布の染色にも使われた。だから「灰」を回収する業者もいたという。
また、「提灯の張り替え」、「下駄の歯入れ」等リサイクル業者が家々を回っていたという。
必要なものを必要なだけしか買わないため、余り物もほとんどなく、またリサイクルできるものはリサイクルして何度も使うため、ゴミは究極的に少なかったと言われている。
リサイクルの手本は、こうした江戸時代にあったのだ。
昭和29年生まれの私でも、物心ついた頃、お百姓さんが下肥を取りに来た記憶もある。また八百屋へ、瓶をもって醤油を量り売りで買っていたのも覚えている。
買い物も、買い物カゴに直接入れるため、包装紙もあまりなかった。せいぜい新聞紙に包んでいたぐらいだった。
そうした江戸時代の循環型社会を、お手本に現在の環境問題に対して取り組む必要があるのではないか。
大量生産・大量消費の時代から、
ゴミになるものを作らない・・・・Refuse
ゴミを減らす・・・・・・・・・・・・・・Reduce
再利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・Reuse
再資源化・・・・・・・・・・・・・・・・Recycle
という4つのRを実践する循環型社会を構築しなればならない。
今まで何度も、環境行政については質問したが、今回は、笠岡市一般廃棄物処理対策審議会が平成12年9月28日に答申書を出し、その後庁内のプロジェクトチームで検討し、この6月定例会に、笠岡市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例が提出された。
平成14年4月から、ゴミ収集袋を指定袋にするという事だが、市民の充分な理解が得られるような取り組みが必要である。
環境重視の街づくりを推進するための、これからの環境問題の取り組みについて尋ねる。
(質問・1) 循環型社会構築のための分別収集をもっとわかりやすく、そしてより市民の協力が得られるような方法についての具体的な考えを尋ねる。
(答弁) 「分別収集の正しい出し方」を記した看板を準備している。7月からの分別収集が毎週になるので、それまでに設置したい。また協力が得られやすいようなパンフレットも準備したい。
(再質問) 広報かさおか6月号において、7月から分別収集の回数が増えた。曜日が変わっている地区もあるし、第1・3週が、「かん類」と「紙類」。第2・4週が、「ビン類」「「布類」「プラスチック類」と掲載されていた。この広報だけで充分に理解して戴けれのだろうか? 地区によっては説明もされているという事も耳にしたのだが、わかりにくく混乱を招くと思われる。周知・理解戴く為にどのような方法を考えているのか?
(答弁) 7月から地元説明会も開催するし、地区の実情に応じた柔軟な対応も考えている。分別収集は毎週を予定しているが、隔週という希望であれば応じていく。
(2) 可燃ゴミ・不燃ゴミ・分別収集のゴミ収集施設の拡大について補助・許可を含めて、もっと積極的に推進できないか尋ねる。
(答弁) 積極的に考えていく。
(再質問) ゴミ収集施設設置事業補助金は、本年度当初予算が15万円×24基で360万円。もう24基の補助申請並びに申請予定と仄聞する。今後、補正等の対応を考えているのか?
(答弁) 補正も考えている。
(3)ゴミステーションに、その地区の分別収集の場所・日時・方法についての看板の設置を検討していると思うが、合わせて指定ゴミ袋についてのわかりやすい案内板、違反者に対しての罰則等を記したものも設置できないか尋ねる。
(答弁) 「分別収集の正しい出し方」の看板を準備中である。
(4)分別収集の理解・促進のために、常時受け入れる場所をモデルケースとして、市の出先機関等に設置する事を検討戴いているが、もっと積極的に増やすことはできないか。
(答弁) 本庁・中央公民館・環境課・保健センター・水道局・笠岡消防署・井笠地方振興局・笠岡警察署等に設置している。各公民館にも設置できるよう打診中である。
(5)生ゴミ処理容器設置事業の拡大は考えているのか尋ねる。電気式減容器の補助拡大も必要だ。またボカシを安く提供できるシステムの構築も必要である。
この生ゴミ処理容器設置事業は、何度も質問した。電気式に対しても補助がでるようになったが、ボカシ容器については、EMボカシを安く提供できるシステムを構築しなければ生ゴミの減量化の推進ができない。
また電気式は、私も2年ほど使っているが、大変簡単にゴミ処理が可能となる。隣の福山市では、年間約1000件も補助で購入している。電気式の補助枠拡大も必要ではないか。
(答弁) EMについては、手間もかかり失敗事例もあるという。今後、使用者に対しての調査を行いたい。
(再質問)生ゴミ処理容器設置事業に関しては、平成11年度・地上設置型のコンポスト等が458基。ボカシ容器等が514基。電気式減容器等が83基で、373万円の決算である。平成13年度当初予算で、360万円。今後ごみ指定袋導入によって希望者が増えた場合、補正等で対応する考えがあるか?
(答弁) 予算を消化したら補正も検討したい。
(6)廃棄物減量推進委員の委嘱はどのような方法を考えているのか尋ねる。またその権限についても尋ねる。
(答弁) 行政協力委員にお願いして、全市で100名を任期2年で委嘱する。市内に約400ステーションあるので、1人で4ステーションを不法投棄の監視・指導する。
(再質問)廃棄減量物推進委員は、最終的には、各ゴミステーションに1人ぐらい必要なのでは?
(答弁)とりあえず、100名委嘱して様子をみたい。
(7)マナー違反・不法投棄に対しての指導・罰則を具体的に尋ねる。
(答弁)不法投棄禁止の警告用看板を設置している。廃棄物減量推進委員と県から委嘱されている監視員3名等で監視する。
(8)住民票のない方に対しての指定ゴミ袋の啓発活動をどのように具体的に考えているのか尋ねる。
(答弁)広報かさおか・パネル設置・パンフレット・笠岡市まちづくり出前口座等で徹底したい。
(9)事業所・店舗等に対しての指定ゴミ袋制度の啓発活動をどのように具体的に考えているのか尋ねる。一般家庭に対しての広報は、「広報かさおか」を通じて可能だが、事業所に対しては「広報かさおか」が届いていないのが実情である。
(答弁)商工会議所会報・地元説明会で徹底したい。
(10)陸地部においての、小さな事業所・店舗から出るゴミは、指定ゴミ袋を有料で購入すれば、ゴミステーションに出すことが可能なのか尋ねる。
(答弁)事業所のゴミは収集しない。事業系ゴミは、市が運搬業者として許可をしている業者に依頼するか、自ら直接処理施設に搬入して戴くかいずれかになる。
(11)町内会等に違反ゴミ等清掃用ゴミ袋として、可燃ゴミ・不燃ゴミ兼用の45Lを年間100枚無料配布するという事だが、100枚以上は有料になるのかどうか尋ねる。
(答弁)1ゴミステーションで100枚が無料で、不足した場合は追加は無料で配布する。
(再質問)その他、ボランティア団体に対してはどのような対応を考えているのか?
(答弁)環境美化等でポランティア団体には、従来とおり建設管理課から、収集袋を無償で配布する。
(12)各地区の可燃ゴミの収集日・不燃ゴミの収集日・分別収集日に地元市職員の積極的参加・指導が必要と考えるが、その具体的な考えを尋ねる。
昨年の12月定例会において、岐阜県多治見市が、平成12年4月から23分別という大変複雑な分別収集を3ヶ月で完全実施できたのは、市職員の徹底的な指導と市民の協力だという事を申し上げた。
本市においても、各地区分別収集日に地元市職員の積極的参加・指導が必要と考えるが、その具体的な考えを尋ねる。
(答弁)7月からの地元説明会には、課長補佐級以上、全員(約130名)で約400地区のゴミ問題説明会を対応する。分別収集の日を地区の可燃・不燃ゴミの収集日のどちらかに合わせているため、地元市職員が分別収集日に可燃。不燃ゴミの指導もできる。
(再質問)環境課に電話をすると、話中のことが多い。聞くところによれば、つい最近まで外線が1つだけだったという。ここでもう1回線増やしたという事で、FAXと外線電話兼用が1回線ともう1つの外線電話という2回線となった。しかし、まだまだ話中のことが多い。FAXが専用回線でない事自体異常。
現在環境課の事務職は10名。10名で2回線では話にならない。
7月からの分別収集の方法が変更。また指定ゴミ袋の導入等で問い合わせが増えてくる。
し尿の申し込み・ゴミの問い合わせ・機構改革での公害関係・狂犬病予防・墓地の問い合わせ等、業務量が増えているのにもかかわらず、電話2回線での対応では、話中ばかりで充分な市民サービスの対応ができない。
別に内戦電話があるため、本庁との連絡は支障がないにしても、一般市民はほとんどダイヤルインを利用されるはず。
9月頃の、新庁舎完成後は、そういう事にはならないと思うが、それまでも今の2回線では、充分とは言えない。電話回線を増やせないか。
環境課には、インターネットの接続がなされていない。財務関係のパソコンがやっと本庁とNTT回線で結ばれているだけ。情報化を考えるとき、庁内LANはもちろんだが、出先機関に対しての情報化が最優先ではないか。議会議事録もインターネットで検索できるようになった。
環境課では、わざわざ車で本庁まで来て調べているという。
また答弁書を作成するときの調査も、わざわざ家に帰って、家庭のパソコンでインターネット検索をしているという。
これも9月の新庁舎完成時には、光ケーブルで結ぶという事らしいが、それまでの約3ヶ月間も、インターネットが接続されていない環境は異常である。
昨今、他市において、ほとんどが「環境問題」・「ゴミの正しい出し方」・「分別収集の方法」等をHP上でお知らせしている。
環境課でそうした独自のHPの立ち上げを考えていないのか。
電話回線を増やす。インターネットが接続できる環境。環境課のHP立ち上げについて尋ねる。
(答弁)電話回線とインターネットが接続できる環境を早急に対応する。また環境課のHPも立ち上げたい。。
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